過去の実績 2015年度(第9弾)

 

日時:2016年 3月12日(土)14:00~17:00

 

場所:北海道経済センター(8階 Aホール) 

   北海道札幌市中央区北一条西2丁目(札幌時計台向かい) 

 

定員:200名 (先着順にて定員を超え次第,受付を終了致します)

 

 

【講演1】

『運動と栄養はベストパートナー!』
~健康のための運動と栄養の組み合わせ〜

北海道医療大学リハビリテーション科学部 講師

澤田 篤史

 

【講演2】

『急性期病院における歯科の役割』
~チーム医療への参加〜

医療法人渓仁会手稲渓仁会病院小児歯科 主任医長

及川 透

 

 

 

『寄せられた質問にお答えします!!』

 

第9弾講師からの回答

 

 

 

 

~澤田先生からの回答~

 

 

Q1:「成長期の子供の場合の運動後の栄養摂取について質問です。どのようなものを、どのくらい、いつ摂取するのが最も効率が良いですか?」

 

 

小・中学生のような成長期の子供は発育・発達を優先し、健やかな身体の基礎を作ることが重要になります。そのためにはサプリメントのように特定の栄養素を多く摂取するのではなく、バランスの良い栄養を食事から摂取するもっとも良いと思います。

 

 成長期の子供は消化器系の機能や内臓組織が未発達なため、消化がきちんとできずに排泄量が多くなります。また、運動後は疲労のために内臓機能も低下しますので、消化の良い食事をよく噛んで食べることで内臓の負担を少なくすることができます。

 

 運動直後は身体の回復が最も盛んに行われますので、運動後1時間以内に食事を取るのが理想ですが、食事までに時間がかかる場合は糖質やアミノ酸を含むスポーツ飲料や果物などを運動後に摂取するのも良いと思います。

 

 

 

Q2:「栄養士です。クリニックで糖尿病患者様への外来栄養指導を行っています。高齢の糖尿病患者様にもできる運動や、高齢でも摂取しやすく、筋肉になりやすいお勧めのタンパク質源の食品などありますか?(一人暮らしの高齢者への指導で適切な摂取が実際に実現できることはなかなか難しいのが現状と感じています。)」

 

 

糖尿病患者さんには、有酸素運動とレジスタンス運動(筋トレ)を組み合わせた複合運動が効果的だと報告されています。重要なのはそれぞれを単独で行うのではなく、有酸素運動を行った後に筋トレを行うことでより効果的に筋肉を増やすことができます。高齢者の場合は、関節や筋肉の痛み、血圧上昇などのリスクがありますので、筋トレは息をこらえずにできる強さの強度でゆっくりと行うことが重要です。筋トレメニューは一人一人の身体状況によって工夫する必要がありますが、日本整形外科学会が推奨するロコトレ(ロコモティブシンドロームのためのトレーニング)が一般的にお勧めできると思います。

 

 タンパク質源は、牛乳が最も安価で入手しやすい良質なたんぱく質食品だと思います。牛乳を運動の後に摂取することでより効率よく筋肉づくりに利用される可能性があります。ただし、高齢者は1食で多くのたんぱく質を摂取するよりも、3食ともに十分量のたんぱく質を摂取することで筋肉づくりに効果的に作用することが報告されていますので、3食の栄養バランスの偏りにも配慮した指導してあげてください。

 

 

 

Q3:「回復期リハ施設の栄養士です。病院ではPTOTSTのリハビリスケジュールが組まれています。さらに通常の3食の食事があります。例えばPTの後サプリメントを服用して、その1時間後食事では食事に影響する場合もあると思います。集団の中のリハビリでは全体的に10時、15時と間食時間を設けた方が良いでしょうか?」

 

 高齢者の場合は、間食やサプリメントが食事摂取量に影響する可能性を考慮する必要があると思います。筋肉づくりを目的とした場合、なるべく低カロリー高たんぱく質の栄養剤を選択すると良いと思います。

 

 間食時間は10時や15時がお勧めの時間になります。患者さんの1日のスケジュールの中でその時間を確保できるように多職種で話し合いをされて、それぞれの病院や施設に合った方法をご検討ください。

 

 

 

 

Q4:「脳梗塞後遺症などで寝たきりの患者様の場合、どのように有酸素運動を取り入れたらよいでしょうか?」

 

 

寝たきりの患者さんの場合は、ベッド上で動かすことのできる手足をゆっくりと曲げ伸ばしする運動など、患者さん自身がご自分でできる動きを取り入れた運動を自然な呼吸をしながら、1520分程度実施すると良いと思います。運動が患者さん自身だけでは難しい場合は介助をしても良いです。また、患者さんが車いすに座れる場合は、できる限り身体を起した姿勢で行うとより効果的です。

 

これらの運動はウォーキングや自転車エルゴメーターのような有酸素運動とは、厳密には区別されますが、患者さんの身体機能に合わせた運動を取り入れることはとても重要だと思います。

 

 

 

 

Q5:「院内でサルコペニアの人を発見した時、まず主治医へ報告するといった話がありました。そのためにはNSTなどサポート体制があった方が良いのかと思います。NSTの立ち上げや運営のコツ、キーマンなどあれば教えてください。」

 

 

NSTは多職種が関わるチーム医療の形ですので、施設ごとのキーマンや特徴があってよいと思います。栄養療法に興味のあるスタッフを集めることが重要ですが、2職種や3職種の連携から始めて、栄養療法を行う上での共通認識や共通言語を増やすことが大事だと思います。

 

多職種で部門横断的に患者さんに関わるチームになりますので、病院内で組織的な位置付けを明確にしてもらうことも活動しやすさにつながると思います。

 

 

 

 

 

~及川先生からの回答~

 

 

Q1:「人工呼吸器管理はもちろん、口呼吸の患者様でも口腔内の乾燥が著明でケアしてもなかなか改善されません。痰が口腔内にあがってくることも影響していると思われましたが、どのようなケアが改善策になるのでしょうか?」

 

 

人工呼吸管理されている患者さんに対しては、ケアの回数を増やすことが一番かと思います。時間が取れないのであれば、粘膜ケアの回数だけでも増やすことがいいと思います。市販されている口腔湿潤剤の使用もいいと思いますが、古い保湿剤をきれいに取ってから塗布しないと、だんだん蓄積してしまいます。

 

シェーグレン症候群や重度の糖尿病を除いて挿管されていない患者さんでは、口を使うことが重要かと思います。経口摂取はもちろんのこと、会話、口腔ケア(セルフケア)、嚥下体操など積極的に口を使うことを指導してみてはいかがでしょうか。また服用薬の副作用もありませので、飲まれている薬の内容を確認することも重要です。大唾液腺のマッサージに関しては、唾液の分泌が促進されるというエビデンスはあまりありません。口腔周囲のストレッチ、リラクゼーション効果、覚醒を促す効果は期待できると思いますが。口腔内の小唾液腺を刺激する方法(詳しくは、「ドライマウス 今日から改善・お口のかわき」 阪井丘芳著 を参考)が有効かと思います。

 

 

 

 

Q2:「口蓋・嚥下補助床など導入のタイミングなど教えてください。(急性期だと提案のみでほとんど介入できないので困っています)」

 

 

  当科でも同じ悩みがあります。ご紹介した症例は何とか装着まで可能だった症例ですが、装着後の評価は転院先の病院でしていただきました。どうしても入院期間が限られているので、装置の完成までの期間を考慮すると着手に躊躇してしまいます。もし義歯をお持ちの方でしたら修理もしくは複製義歯を作るというという形にすると短時間で済むかもしれません。申し訳ないです、あまり答えになっていません。

 

 

 

 

 

Q3:「講演の中で、ブラッシングはVAPを予防しないとのエビデンスが示されていましたが、ICUではこのエビデンスに則った対応が多いのでしょうか?標準的なVAP予防のための口腔ケア方法はどのようなものでしょうか?」

 

 

挿管患者の口腔ケアにブラッシングを行っています。欧米ではクロルヘキシジンを使用していますので可能かもしれませんが、日本では高濃度のクロルヘキシジンの使用は禁忌なので、バイオフィルム破壊にはブラッシングは必須と考えています。標準的なVAP予防の口腔ケアはまだ定義されておりません。2014年の第11回口腔ケア学会で「ICUにおける口腔ケア」というテーマでコンセンサスカンファランスがありましたが、具体的な方法に関してまでは議論は達しませんでした。ただ一番重要なのが、ブラッシング後の汚染物の回収です。各施設がそれぞれの方法(洗浄・吸引は78%の施設)で行っているのが現状です。口腔内の洗浄は、吸引のテクニックが必要です。つまり、歯科関係者(慣れている)が吸引をするのと看護師が吸引するのでは、差が出てしまう可能性があります。当然咽頭に洗浄水が流入すればカフより漏洩し、VAPのリスクが高まります。院内の口腔ケアの標準化を考えると、差が出やすい手技を避けて、誰もが同じように安全に行えるためには洗浄・吸引ではなく、口腔内ガーゼでのふき取りのほうが良いのではと思います。講演内で一報告を紹介しましたが、洗浄とふき取りの効果に対する研究がもう少し出てくれることを期待しています。

 

 

 


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